2010年10月28日木曜日

双方向インタビュー 双向采访


10月はじめ、BBCワールドサービスの記者Weiliangが日本に取材に来た。来日する前に、Weiliangは「若者にインタビューしたい。日本の若者が持っている中国イメージを知りたい」と、要望を出した。若者なら、私の学生たちを取材すればいいのだが、「日本の若者が持っている中国イメージ」というテーマがちょっと大きいと思う。漠然とした回答にならないようにどうすればいいのか、少し考えた。

Weiliangの今回の取材は、「世界から見る中国」シリーズの一環で、前から計画されていたが、9月下旬の漁船衝突事件で両国間の緊張が一気に高まり、まさに日中関係がぎくしゃくしている最中の取材となった。

マスメディアに醸成されたイメージをただ繰り返したり、それについて感想を述べたりすることになると面白くないので、学生たちに自分が関心を持つことについて、自分で考えた意見を言ってほしかった。そのため、インタビューの1週間前、私は学生たちに宿題を出した。

「あなたの身近にある『中国』を持ってきなさい。BBCの記者に、それがどんなものなのかを紹介し、あなたにとって『中国』はどんなイメージなのかを発表しなさい。ここでいう『中国』は、あなたが『中国と関連がある』と思うものなら、何でもいいです。」

10月5日、取材は教室で行われ、4人の学生がBBC記者のカメラの前で、それぞれの中国イメージを発表した。

渡辺さんが持ってきた「中国」は、中国旅行に行ってきたお兄さんがくれたお土産:毛沢東や軍人や戦闘シーンが描かれているトランプ。「トランプは普通かわいい絵が多いが、このトランプを見てびっくりした」と渡辺さん。そして彼女の中国イメージは、「やはり毛沢東があらゆるところに登場している。宗教ではないけど、人々が彼を神のように思っている感じ」だ。

高梨さんが持ってきたのは、自分の携帯電話。携帯電話にレアアースが使われているが、日中関係がゴタゴタしている中、中国がレアアースの輸出を制限したことが注目されていた。高梨さんは、「中国は資源をいっぱい持っているから、外交のほうも非常に強い。日本はその資源に頼っていて、中国との交渉に負けているなあ」と感じた。中国のイメージは、「ちょっと怖い」と高梨さん。

伊藤さんは自分の洋服を持ってきた。家で探してみたが、中国製じゃない服は1、2着しかなかったという。「中国は経済大国のイメージ。日本は中国から安い商品を大量に輸入している。日本が中国経済を依存しすぎると、国内の雇用が影響され、日本経済にもよくないが、一方、安い商品が買えるのはやはりうれしい」と、伊藤さんは自分の矛盾した気持ちを説明した。

SMAPファンの越田さんは、SMAPの上海公演を宣伝した中国ウェブサイトの内容をプリントした紙を持ってきた。もともとSMAP初の海外公演が上海で行われる予定だったが、日中関係の悪化で中止になったことに、越田さんは残念がっていた。「SMAPは日中友好を促進しようとしていたが、文化交流が政治に影響されてしまった。」そして、「写真の不正利用を防ぐために、日本のSMAPのウェブサイトでさえ画像を掲載されていないのに、中国のウェブサイトでちゃんと写真が載せられているので、非常に珍しい」と思った。

下記のリンクをクリックして、4人のインタビューを見ることができる。
http://www.bbc.co.uk/zhongwen/simp/multimedia/2010/10/101020_vid_japan_china_one.shtml

学生たちがインタビューを受けたあと、今度はBBCの記者にインタビューする番だ。なかなかないチャンスなので、インタビューされることだけではなく、インタビューすることもぜひ学生たちに経験させたいと思い、事前にWeiliangにお願いをし、同時に学生たちに質問を用意させた。

4人の学生はいずれも海外に行ったことがない。「海外に行ったらやはり価値観とか、考え方は変わりますか?」という質問が真っ先に出された。Weiliangは、「絶対に変わる」と答え、地図の話をしてくれた。海外に行く前、中国が真ん中に描かれている地図が当たり前だと思ったが、ロンドンに行ったときに中国が隅に描かれている地図を見てとても驚いた。それによって気付いたのは、それぞれの国や人が世界を見る目は違うこと。そして、自分と違う世界観があることを知るべきであり、自分と違う考え方を尊重しなければならないということを学んだという。

インタビューはTwitterで中継された

そのほかにも興味深い内容がたくさんあるが、学生たちやWeiliangの記事やレポートで読むことができる。
http://masshirogold.blogspot.com/2010/10/bbc-world-service.html http://www.bbc.co.uk/blogs/zhongwen/2010/10/80.html

学生たちの質問に丁寧に答えてくれたWeiliangに感謝!

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10月初,BBC国际台记者Weiliang来日本采访。来之前,Weiliang提了一个希望:“希望采访年轻人,想知道日本年轻人对中国的印象。”年轻人很容易找,来采访我的学生就可以了。不过,我觉得“日本年轻人对中国的印象”这个题目有点儿大,怎样才能让学生们的回答不至于太笼统和模糊呢?

Weiliang这次的采访作为“世界看中国”系列的一环,是早就计划好的。可是,9月下旬的撞船事件使得两国关系紧张骤增,结果采访刚好赶上了中日之间最僵的时候。

如果学生们只是重复由大众传媒形成的中国印象,或者针对传媒上的印象谈感想的话,就没什么意思了。我希望她们能对自己所关心的内容进行思考,谈一些自己的意见。于是在采访的一周前,我给她们留了一个作业。

“在你身边的找一个和中国有关的东西带来,向BBC记者介绍你带来的是什么,然后谈一谈你对中国的印象。只要是你认为和中国有关的东西,什么都可以。”

10月5号,采访在教室进行。有4个学生在BBC记者的镜头前谈了各自对中国的印象。

渡边带来的中国东西,是她哥哥去中国旅行时买回来的一盒画有毛泽东、解放军、战斗场景的扑克牌。渡边说:“扑克牌上一般都画着可爱的图案,所以看到这盒扑克牌吓了一跳。”她对中国的印象是:“毛泽东好像仍然是无所不在的。虽然不是宗教,但我觉得人们是把他当作神来看待的。”

高梨带来的是自己的手机。生产手机需要使用稀土,而这次中日发生纠纷时,中国限制稀土出口引起了各方关注。高梨说:“中国有很多资源,在外交上也非常强势。而日本依赖中国的资源,在交涉的时候就输给中国了。”对于中国的印象,高梨觉得“有点儿可怕”。

伊藤带来了自己的衣服。她说,在家里找了一下,不是中国制造的衣服只有一两件。她谈了自己矛盾的心情:“中国给我的印象就是经济大国。日本从中国大量进口廉价商品。日本过分依赖中国经济的话,国内雇用就会受影响,对日本经济不好。可是另一方面,能买到便宜的商品,我当然很高兴。”

越田是SMAP的粉丝,她找到中方宣传SMAP上海演唱会的网页,把上面的内容打印了下来。SMAP原本计划在上海举行第一次海外公演,但由于中日关系恶化,演出被叫停了,越田对此深感遗憾:“SMAP本来是为了促进日中友好,可是文化交流却被政治影响了。”她还注意到另外一个细节:“为了防止照片被不正当使用,日本的SMAP官网上都不刊载他们的照片。而中国的网站上有SMAP的照片,真是很少见的情况。”

点击下面这个链接,可以看到4个学生的采访录像。
http://www.bbc.co.uk/zhongwen/simp/multimedia/2010/10/101020_vid_japan_china_one.shtml

学生们接受完访问之后,轮到她们来采访BBC记者了。由于这次机会难得,我希望学生们不仅仅当一个受访者,而且也能体验一下如何来进行采访,所以事先拜托Weiliang给予协助,同时也让学生们准备了问题。

这4个学生都没有出过国。她们最先提出的问题是:“到了国外,价值观、想法的确会变吗?”Weiliang回答说:“肯定会发生变化的”。他举了一个地图的例子来说明:出国前看到的世界地图,中国都被画在正中间,认为这是理所当然的事。到了伦敦,看到中国被画在一角的世界地图时真是大吃一惊。从这个经验中,Weiliang认识到各个国家的人看世界的视角都是不一样的,所以,应该了解和自己不同的世界观,尊重和自己不同的看法。

这次的双向采访中还有许多有意思的内容,具体可参见学生们以及Weiliang写的报道。
http://masshirogold.blogspot.com/2010/10/bbc-world-service.html http://www.bbc.co.uk/blogs/zhongwen/2010/10/80.html

感谢Weiliang,对学生们的所有问题都认真作答!

(注:以上链接在国内有可能打不开。)